令和3年12月16日、鶴岡市において定例会が開催され、重要な議題が取り上げられた。
まず、請願第10号に関する審議の中で、沖縄戦戦没者の遺骨を含む土砂を埋め立て等に使用する計画の中止を求める意見書の提出について議論が交わされた。
この請願は、沖縄戦の激戦地において、多くの遺骨がある地域における土砂採取を問題視している。総務常任委員会の佐藤昌哉議員は、「沖縄戦の犠牲者の尊厳を守る観点から、遺骨を含む土砂の使用は人道上許容できない」と述べた。
しかし、審議の中では議員間での意見の対立も見られた。南波純議員は、「請願者のプライバシーを詮索するような質問が出され、請願者が市議会に請願を行う権利が脅かされる状況であり、今後市民の請願への不安から委員会の運営改善が求められる」との意見を示した。これに対し、反対意見を持つ議員も複数現れており、請願の本質よりも他の要因に焦点を当てるべきだと主張する声もあった。
さらに、請願第11号コロナ禍による米価下落の対策を求める請願の審議も行われた。これに対し、賛成する議員は「農業経営を守るためには、政府による米の買い入れと生活困窮者への食料支援が急務である」と訴えた。
しかし、政府の現行の米政策に対して懸念を示す声もあり、「現状の補正予算が十分でなく、さらに厳しい対応が求められる」としながらも、委員長報告は不採択と議決された。
その他にも、高速交通等対策特別委員会や議会改革特別委員会、人口減少・地域活性化対策特別委員会の設置についても議論が進められ、地元の交通機関の改善や地方活性化についての具体的な施策が模索されている。議会全体としては、地域課題解決に向けた委員会の設置が必要であるとの認識で一致していた。