令和6年3月12日、酒田市にて開かれた定例会では、能登半島地震を受けた防災対策が中心議題となった。特に、津波警報発令時の避難行動や情報伝達の不足について多くの意見が交わされ、次回以降の対策に必要な改善点が浮き彫りになった。
まず、津波に対する市民の避難行動に関して、佐藤猛議長は、本市では元日の地震後、各地で避難所が開設されたが、地域住民の不安を招いたとの報告があった。「避難場所が開いていなかった」「情報が不十分であったことが混乱を招いた」と付け加えた。
さらに、津波避難に関する情報発信については、災害時の緊急速報メールや防災行政無線の効果を評価する意見があったものの、「地域内での情報伝達が不十分であった」という指摘が相次いだ。特に、車両による避難は渋滞を招くとのことから、今後は徒歩による避難を原則とし、自助と共助の意識を高める必要が強調された。また、車両が必要な高齢者や要配慮者への配慮が求められている。
次に、観光の振興についての質疑も行われた。環鳥海山エリアの交通アクセスが改善される中、鳥海山が多くの観光客を呼び込む素地が整いつつある。特に、アウトドアブームに伴う新たな観光コンテンツの開発や体験型プログラムが重要視されており、市内外の事業者との連携強化が見込まれる。また、秋田県との連携も重要であるとの認識が示され、今後の観光振興活動に対する期待が寄せられている。
さらに、以下の観点から具体的な取り組みが話し合われた。
1. 地域住民との協働による災害訓練の実施
2. 防災グッズの有効活用とその普及啓発
3. シェイクアウト訓練の定期実施
4. ハザードマップの視覚的理解を優先する地域の取り組み
こうした意見を踏まえ、議会では市の各関係事業所や団体と連携し、総合的な防災計画を改定する必要があるとの意見が一層高まる結果となった。このように、議論を通じて市民の防災意識を高めることが急務であるとの認識が共有された。