令和3年12月の鶴岡市議会において、複数の重要な議題が取り上げられた。特に、医療的ケア児の支援策や観光振興策、そして給食無償化についての議論が注目を集めた。
草島進一議員は、医療的ケア児の在宅療養が抱える課題を提起した。市内には、たんの吸引や人工呼吸器が必要な医療的ケア児が15名おり、支援の現状と今後の方向性について質問がなされた。健康福祉部長の渡邉健氏は、今年度からあおば学園での相談支援を増員し、研修や交流の機会を提供していることを説明した。また、医療的ケア児支援法により、国と地方自治体の責務が強化され、より積極的な支援が期待されると述べた。
一方、観光振興策で、実行力のある「第二のふるさと」づくりの必要性が指摘された。草島議員は、関係人口について、市外からの訪問者に定期的に訪れてもらうことの重要性を強調した。観光CRM(顧客関係管理システム)の導入を通じて、地域の魅力を再発見する新たな取り組みが提案された。
次いで、食文化創造都市ネットワークについて、遠藤初子議員は、より多くの市民に対する周知活動の強化を求めた。特に、臼杵市や山形市との連携を通じた文化交流が重要であるとの認識を示し、名実ともに食文化を核とした地域の振興策の一環として、映画祭やイベント等を活用すべきだと述べた。
さらに、高齢者世帯などを対象とした雪下ろし事業についても言及され、副市長の阿部真一氏は、地域の住民が互いに支え合う重要性を訴えた。これにより、冬期の生活環境整備と高齢者の安全確保につながる周知活動が推進されていることが報告された。
このほか、学校給食費の無償化の対象拡大の議論もあり、南波純議員は第3子以降に限らず、より多くの家庭への支援を訴えた。皆川市長は、不公平感をなくす取組みが必要との姿勢を示し、今後の検討に意欲を見せた。
この議会での議論は、地域の福祉や観光、文化の発展における様々な施策が市民生活に直結するものであるとの認識を新たにし、今後の展開に対する期待を高める結果となった。