本年6月15日、鶴岡市議会が開催され、医療的ケア児への施策や家族負担軽減、旧農業用水路の維持管理、防犯対策など幅広いテーマが議論された。
まず、医療的ケア児に関する施策について、遠藤初子議員がその支援制度について問いかけた。健康福祉部長の佐藤繁義氏は、医療的ケア児支援法に基づく市の施策として、相談支援、通所支援などのサービスを提供していることを述べた。また、令和3年度の医療的ケア児相談支援事業の進展や、家族負担軽減のための具体的な取り組み、例えば福祉タクシー券や給油券制度の導入についても触れた。しかし、医療的ケア児の利用可能な福祉サービスが依然として不足しているという課題も指摘された。
次に、旧農業用水路の維持管理について、南波純議員が現状を尋ねた。建設部長の坂井正則氏によれば、鶴岡市が管理する旧農業用水路は65件あり、総延長は33キロメートルに及ぶ。管理が行き届かない水路については、流れが悪くなった場合に土砂を撤去するなどの迅速な対応を行なう方針であることが確認された。
防犯対策については、阿部寛危機管理監が対応状況を説明。鶴岡駅周辺の安全性を高めるために、防犯カメラの設置や夜間の巡回パトロールを強化していると述べた。また、地域防犯活動に関する協力も推進中であり、地域住民の参加を求めている。
また、地域庁舎の機能強化について、工藤博議員から実効性を求める声が上がった。各地域庁舎が地域の特性に応じた施策を進める必要性が強調され、特にデジタル技術を活用した新たなサービスの導入が求められた。
学校給食においては、南波純議員が持続可能な提供体制について発言。教育部長の永壽祥司氏は、給食センターの整備計画や地域の特産物を活用したメニューの提供を進める必要性を認識していると答えた。特に、地元産食材の使用や食文化を大切にする姿勢が市民に愛される学校給食に貢献するとの見解を示した。
このように、今回の議会では市民生活に深く関わる多岐にわたるテーマが討議され、特に医療的ケア児の支援、地域防災、学校給食の持続可能性が焦点となった。これからも市民参加を重視した取り組みが期待される。