令和3年6月の鶴岡市定例議会が本日、開会された。
本会議では、議案が18件提出される中、特に新型コロナウイルス感染症への対策について注意が集まっている。市長の皆川治氏は、現在の感染状況に触れ、「高齢者を含むワクチン接種を定期的に進めており、接種率の高まりが期待される」と述べた。
また、接種関連の課題として、電話予約の混雑が挙げられ、皆川市長は「コールセンターの回線数を増設し、ウェブ予約システムを導入して対応する」との方針を示した。高齢者施設入所者も含めた接種完了を早期に目指すとした。
新型コロナ対策とともに経済対策も議題となった。特に、キャッシュレス決済促進事業について「QRコードを設置することで、店舗側の負担を軽減した」という。これにより多くの市民が消費に貢献したとの報告も行われ、不公平感の解消に向けた施策の強化も求められた。
経済再生のためには、観光業の振興が不可欠とされ、皆川市長は「市内の観光施設において『鶴岡泊まって応援キャンペーン』を実施し、地域経済の活性化に努めていく」と述べた。観光動向が厳しい状況にある中、新たな観光戦略を検討中であり、全体的な施策の見直しが必要であるとも強調した。
教育分野では、農業経営者育成学校であるSEADSの状況などに触れ、新規農業従事者の育成を行いながら「定住人口の増加に寄与する」ことを目指していると報告した。卒業生が本市で就農する流れを定着させることで、地域の基盤を強化する意義を再確認したという。
その他、情報格差問題についても意見があり、高齢者やデジタル機器に不慣れな市民向けの支援策の必要性が議論された。市民が円滑に情報を取得できる施策の実施が求められていることは明白だ。
議論を踏まえ、今後の施策の充実が期待されている。