令和4年9月12日に行われた市議会では、加茂地区の風力発電所計画に関する質疑が中心だった。特に草島進一議員が環境への影響について説明し、国際的に保護されている野鳥の生息域に接近するこの計画の危険性を訴えた。
この風力発電所計画は、地元自治体の環境政策や持続可能な開発目標に対し、重要な影響を及ぼす可能性がある。草島議員は、具体的には「コハクチョウが3,000羽、マガモが2万から3万羽のほか、準絶滅危惧種のオオヒシクイが1,000羽生息している」と指摘し、この地域が国際的にも重要な生態系であることを強調した。
また、風力発電が鳥類に与える影響についても言及し、日本野鳥の会山形支部から提出された意見書も引用した。この意見書は、風力発電の建設によりハクチョウなどの渡りのルートと生息環境が損なわれる可能性があると主張するもので、多数の野鳥の危険性を示唆した。
それに対し、伊藤慶也市民部長は「現状では、適切な調査と評価が行われる必要がある」と述べ、環境保護の観点から慎重な対応を進めることを約束した。
議会では、さらに市民向けの環境保護活動や地域住民の参加が呼びかけられた。草島議員は、「住民の同意や鳥類などの生態系への影響を考慮しつつ、地域の意見も尊重すべきだ」と強調し、開発業者に対して協議を進めるよう求めた。
この計画は、地域の公共交通やコミュニティの維持にも重要な影響を与えるため、今後の市の取り組みと報告に期待が寄せられている。市議会でのこのような議論は、地域の自然環境と市民生活への影響を考慮しつつ、持続可能な開発につなげる重要なステップといえるだろう。