令和5年6月30日、鶴岡市議会は定例会の第6日を迎え、食料・農業・農村基本法の見直しや地域在来品種の保存促進に関する意見書の提出が主要議題となった。
最初に、表彰状の伝達が行われた。20年以上在職する佐藤博幸市議と15年以上の小野由夫市議が表彰され、議長の本間新兵衛議員から功績を称えた。続いて、食料・農業・農村基本法の見直しについて秋葉雄議員が提案し、農村振興と農業生産の持続的発展の重要性を強調した。
次の議題である地域在来品種等の種苗に関しては、草島進一議員が法律の早期成立を求める意見書を提案した。過去の取り組みを振り返り、地域の多様な植物が持続可能な農業に寄与することを訴えた。さらに、鶴岡市から三川町への一般廃棄物処理に関する規約の変更が提案され、市民文教常任委員長からこの変更の必要性が説明された。
重要な討論が行われたのは、(仮称)JRE加茂風力発電事業に関する請願であった。これは、市の風力発電事業の中止の申し入れの撤回を求めるもので、賛成・反対の見解が激しく交わされた。賛成派は住民の声を尊重し、地域活性化を目指すべきとの意見を述べた。一方、反対派は環境への影響や地域の自然保護の重要性を訴え、風力発電が地域に与える負の側面を指摘した。
請願の採決では、多くの議員が賛成の意を示し、結果的に請願は採択された。市は今後の対応として、環境影響評価等を継続し、住民との対話を深めていく方針を確認した。議会の最後には、西目地区の土砂災害復旧工事に関連する契約についても承認が行われ、議程が全て終了した。過去の実績と住民の思いを踏まえた意見が重視される定例会であったといえよう。