令和3年3月23日、鶴岡市議会は定例会を開催し多くの重要な議案を審議した。
特に焦点を当てたのは、日本政府に対し核兵器禁止条約の調印を求める意見書の提出に関する議論である。提案者の長谷川剛議員は、核兵器は非人道的な兵器であるとし、被爆国として日本は推進に先頭に立つべきと強調した。一方で、本間正芳議員は、安全保障環境の厳しさを理由に反対の立場を示した。
次に、ジェンダー平等に関する法令整備の意見書も重要なテーマとなった。坂本昌栄議員は、男女平等を実現するための法改正が必要であると訴えた。加藤鑛一議員は、その提案に賛同し、国際的な流れを踏まえて早急な対応を求めた。
東京電力福島第一原子力発電所の事故後の処理水に関する意見書も提出された。菅井巌議員は、海洋放出が漁業関係者に影響を与えるため、再検討を求める意見を表明した。反対意見も多く、特に住民への影響を考慮した意見が強調された。
また、令和3年度一般会計予算の訂正についても引き続き議論された。この件では農業人材育成確保事業に関連する予算が取り上げられ、反対の意見も多々出された。
議会の結果、幾つかの重要な予算に関する議案が可決されたが、核兵器禁止条約の調印を求める意見書は賛成少数で否決された。これは市民の意向を反映しないものと捉えられている。
総じて、本定例会では、核の廃絶、ジェンダー平等、ならびに処理水問題という現在の社会が抱える課題が深く議論され、公正かつ持続可能な社会を目指す動きが見られた。