令和5年3月1日、栃木市議会は一般質問を通じて重要な課題についての詳細な討議を行った。
特に小太刀孝之議員によるポリ塩化ビフェニル(PCB)の廃棄物処理に関する質問が注目を集めた。議員は、特別措置法に基づく廃棄処理計画の進捗を確認し、栃木市が所有する高濃度PCB廃棄物が全て処理済みであることを報告した。
また、議場では低濃度PCBの一覧が県内の17の市有施設に保管されていることが示された。生活環境部長の瀬下昌宏氏は、「適正かつ確実な処分を行っていく」と強調した。加えて、一般市民にも早期廃棄を促す努力が求められた。
市有施設の省エネ化についても質問があり、昭和から平成初頭にかけて建造された施設の電気使用量削減策が報告された。特に、照明設備のLED化など具体的な施策が進められている。
次に、立地適正化計画に関する質問が議論を呼び起こした。この計画は、適正な居住地域の確保と地域サービスの効率化を目的としており、市民の利便性向上が含まれている。市としては、自動車依存を減少させるための公共交通の充実も目指している。都市での生活の質を向上させるために、各種施策が重要であることが確認された。
太平山観光の振興についても多くの質問が寄せられた。太平山は市の代表的な観光スポットで、観光基本計画にもその重要性が明記されている。新型コロナウイルスの影響を受けた観光産業再生のため、観光資源の効果的なプロモーションが求められている。暖かくなれば観光客の増加が期待されており、太平山のプロモーション活動を活性化させる方針が示された。
新斎場についても触れられた。新たに建設される斎場は令和5年10月から供用開始予定で、現斎場はその後廃止される。市内の意向を踏まえた跡地利用が求められている。立体駐車場の安全対策についても要望が出されたことから、地域の安全が市の大きな課題であることが浮き彫りとなった。
全体的に、議場では地域の住環境改善や観光振興、ゴミ廃棄物処理施策など多岐に渡る重要なテーマが提起され、今後の方針に向けた有意義な議論が行われた。