令和4年9月の菊川市議会定例会では、財政状況や観光事業に関する重要な議論が展開された。本会議には議員17名が出席し、行政の財政努力が求められる中、特に織部光男議員が財政の持続可能性について多くの質問をした。市長の長谷川寬彦氏は、国と地方の財政の関係を示し、菊川市が適切な財政運営を行っていると強調した。特に、新型コロナウイルス感染症がもたらした影響により、「現在の状況は有事である」とし、必要な政策を展開する意向を示した。
議論の中で、一新したインフラや公共施設の維持管理問題が浮き彫りになった。2025年に予定されている菊川市の人口目標は37,000人であり、今後の財政計画に対する影響が懸念されている。この中で、織部議員は「持続可能な財政運営が求められる」と訴え、特に水道事業について言及した。断水の問題は、過去のインフラ管理が疎かであったことを指摘し、さらなる行動が求められることとなった。
また、基金の運営についても言及され、市長は「財政調整基金を活用することで対応可能」と説明したが、織部議員は「将来的な危機に備える基盤が必要」と反論した。観光事業に関しては、菊川市がどのように地域事業者の実益に結びつけていくのかが問われ、具体的な戦略が求められた。これに対し、市長は「観光庁の補助金を活用したツアー造成や、飲食店への集客を通じて経済波及効果を図る」とした。
さらに、地域資源の開発や利用促進についても横道に話が展開され、織部議員からは「体験型観光や地域イベントの促進を図るべき」との意見も披露された。行政側はこれに応え、「行政経営推進方針に基づく新たな行革の取り組みを進める」として、持続可能な地域経済への道を模索する意義を強調した。
ただし、依然として厳しい財政状況にある中で、今後の対応が如何に実行されるかが注目される。市民の心の豊かさを求める議論の中で、経済の安定がいかに重要であるかが浮き彫りになった。会議は、市民の期待に応える形で締めくくられ、持続可能な政策実行の必要性が改めて確認された。