令和3年3月に開催された吉川市議会定例会では、様々な市政の重要課題が議論された。特に、新型コロナウイルスワクチン接種に関する取り組みが焦点となった。
市長の中原恵人氏は、ワクチン接種事業を円滑に実施するために会計年度職員を活用することや、接種に関わる経費を予算化する意義を説明した。具体的な予算案には、事務作業に従事する人員や保健師、看護師に対する報酬が含まれ、また、タクシーサービスの利用を通じて、移動に困難を抱える市民の支援を行うプランも提示された。
中原市長は「高齢者や要介護の方々には、安全な医療サービスを提供するために、しっかりとした支援体制を整える」と強調し、必要な医療体制の確保に努める考えを示した。さらに、全国的な傾向に鑑み、医療資源の徹底的な温存を図る必要性についても触れた。
質疑において、議員からはタクシー借上料の適用についての懸念が示された。市は、地元タクシー会社と協議を進めており、利用者からのフィードバックを基にサービスを改善していく意向を示した。他にも、接種に伴うアナフィラキシーに対する対策なども話題に上り、ワクチン接種の現場がしっかりと準備されていることが確認された。
また、議会では、重度心身障害者医療費助成制度に関する意見書が提出され、精神障害者保健福祉手帳2級の所持者を新たに助成の対象に加えることを求める声も上がった。これは、経済的な困難を抱える家族を支援し、視覚的には見えない障害を持つ市民に寄り添う政策の拡充を目的としている。
最後に、さらなるSDGsの推進に向け、地域住民の声を反映させることの重要性が議論され、官民連携の形で医療と福祉の向上に努める姿勢が示された。