令和6年3月19日に開かれた吉川市議会では、加齢性難聴者への補聴器購入費助成制度の導入に関する議論が行われた。この制度は、高齢者の生活支援や認知症予防などの観点から重要視されているが、市側は現時点では公費による助成制度の導入を困難と考えている。
例えば、市長の中原恵人氏は「補聴器は高額である一方で、集音器は初期には安価で手に入るものの、効果に限界があるため、補助の必要性や補足的支援を決定するのが難しい」と述べた。また、補聴器は個々の聴力に応じて調整する必要があるため、アフターケアの重要性が指摘された。
さらに、難聴と認知症の関連性についても議論となり、市としては加齢性難聴が認知症のリスク要因となることを認識しているとした。ただし、特定健診に聴力検査を加える考えはなく、国が定める基準に準じた内容で実施しているとの見解を示した。
また、大沢元埼玉県知事居宅跡地の公園整備についても議論が交わされた。整備計画は既に策定されており、地域住民の意見を反映した計画が進んでいる。部長の竹内栄一氏は、「自然を身近に感じさせる公園を整備し、一部の供用を令和6年度中に開始する予定である」と明言した。
しんきぼりの進捗状況についても報告があり、約480mの優先整備区間のうち367mがすでに整備完了している。残り57.5mの工事も進められており、今後の計画について期待が寄せられている。三郷市との連携も重要であり、工事が順調に進むことが求められる。
以上の議論を通じて、吉川市では高齢者福祉や地域整備に向けた具体的な施策が進んでいることが確認された。市民からの要望にも敏感に対応する姿勢が強調され、今後の展開に注目が集まっている。