令和元年6月14日、吉川市第2回定例議会では様々な重要な議題が取り上げられた。特に、市政に対する一般質問では、加藤克明議員が少子高齢化問題について詳しく語り、新たな政策を求めた。彼は、少子化対策として、育てやすい環境の整備が急務であると強調した。さらに、10月からの幼児教育の無償化に期待を寄せ、公立高校の無償化についても言及した。地域社会全体で子ども育成に向き合うことが大切であるとし、ジュニアアスポート事業に積極的な取り組みを求めた。これに対し、こども福祉部長の伴茂樹氏は、ジュニアアスポート事業のモデル事業が既に始まっており、今後も調査研究を続けると回答した。加藤議員の問題提起に対し、市長も前向きな姿勢を示している。
次に、市民から高い関心を集めるのが、加齢性難聴者に対する補聴器購入の助成に関する意見書であった。若年者は身体障害者として特別な支援が受けられるのに対し、高齢者はその援助が十分でない現状が問題視された。近年、難聴が認知症などのリスク要因であることが明らかとなっており、高齢者支援の観点から無償化や公的助成の必要性が再認識されている。意見書の提案は、補聴器の助成制度創設を国に求めるもので、全国的な運動の一環として注目されている。
国民健康保険の国庫負担の増額要望も重要な議題であった。国保加入者は多くが低所得者であり、国庫負担の削減により厳しい状況に置かれている。このため、意見書では、国における国庫負担をより一層増やし、均等割りを軽減するよう提案されている。
議題の一つには、児童虐待防止対策のさらなる強化が盛り込まれた。市は地域の安全を確保する取り組みを強化する姿勢を示し、教育機関や警察との連携を重視し、抑止力を高める必要性が訴えられた。このような対策は、地域全体で子どもたちを見守る体制の構築を目指すものである。
特に印象的だったのは、日米地位協定の見直しを求める意見書の提出である。大規模な米軍基地の影響を受ける地域では、事故の頻発や地域住民の生活への影響が懸念される中での意見書提出は、地域の声を代弁した重要な動きといえる。