令和2年9月7日に行われた吉川市議会の第7回定例会では、令和元年度の各種決算認定議案が審議された。特に市の財政状況を示す多くの決算報告が行われ、注意を引く点がいくつか挙げられた。
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、各種事業の実施に制約が出ている状況にも関わらず、令和元年度一般会計の歳入は403億1,283万3,000円、歳出は393億4,675万9,000円となり、いずれも前年から増加した。
特に注目されたのが吉川市の一般会計において、自主財源が減少し依存財源が増加している点である。自主財源は前年と比較して1億1,062万7,000円減少し、全体の45.5%を占めるに対し、依存財源は37億7,337万5,000円の増加で54.5%に達した。これは、さらなる市税収の多様化が求められていることを示唆している。
水道事業会計においての業務実績では、前年対比で給水人口が増加した一方で、水道料金の徴収率は91.6%と若干低下した。経営状況は健全性を保っているものの、一人当たりの給水量は減少しており、給水収益が伸び悩む傾向が見受けられた。
下水道事業会計については、供給単価と汚水処理原価ともに、使用量単価が上回っているなど、経営の安定化が図られている。今後は、地方公営企業法に基づいて資産状況が把握可能となったため、その業務効率化も期待される。
議題として上げられた決算報告への質疑応答の中で、市側は今後とも経費の見直しを進めつつ、予算の効率的な執行を目指す意向を強調した。また、地域課題に対する柔軟な対応が求められているとする意見も多く出た。さらに、予算に対する無駄を省きながら市民福祉の向上に努める必要性も示唆された。各種報告に対する質疑が行われ、さまざまな意見が交わされた。