令和6年第3回吉川市議会定例会が開催され、市長の施政方針に基づく質疑応答が行われた。出席した20名の議員たちは、多岐にわたる重要施策について質問し、具体的な進捗に関する意見を述べた。
まず、平和市民クラブの降旗聡議員が、施政方針の中で触れられた減災プロジェクトの具体的内容と参加者について質問を行い、特に「北谷小学校」でのプロジェクト実施が報告された。市長の中原恵人氏は、時期は出水期後を予定し、地域の自治会を中心にした参加が考えられており、外国籍の方や中学生などの参加も促されると述べた。
治水対策については、降旗議員が昨年の大雨による浸水被害の教訓を踏まえ、これまでの治水対策の進捗状況を問うた。市長は、浸水被害軽減に向けた具体策として、第一排水区に下水道事業計画の変更を申請することを挙げ、浸水がどの程度軽減されるかのシミュレーションも紹介した。
さらに、水道料金の改定に関する議論も交わされた。市長は、吉川市民全体の水道使用量に配慮しながら、1日約1万2千立方メートルの水を確保している状況を報告し、待機的な水供給体制を説明した。また、水道料金改定に対する市民理解の獲得と配慮についても言及した。
次に、子ども関連施策では、南中学校に設置されるスペシャルサポートルームに関する質疑があり、中原市長は不登校支援への期待を表明した。さらに、新たな子ども一体拠点施設の整備計画についても言及し、地域住民の意見を基にした調整が進められていると言葉を添えた。
また、農業施策においては「女性と農業」をテーマにした啓発活動の実施が計画されており、地域資源を最大限活用する狙いが語られた。これは農業従事者の減少を受けた新たな挑戦として位置づけられている。
市内の公共交通についても議論がなされ、市長は運転手確保の課題について検討を重ね、地域の公共交通計画の策定に向けた取り組みが紹介された。今回の会議では持続可能な地域公共交通の構築に向けた市の決意も強調された。
最後に、今後の農業振興や工業団地開発についても市長からの説明があり、地域全体の活性化とともに、新たな農業、地域の将来を見据えた長期的なビジョンが提案された。市民生活を支えるこれらの施策が、吉川市の未来にどのように実を結ぶかが注目される。