令和5年6月の八潮市議会定例会では、高齢者移動支援や防災意識向上に関する重要な議題が討議された。特に、高齢者の運転免許自主返納や公共交通の利用促進が注目されている。
まず、運転免許証の自主返納について、過去5年間のデータが示された。最も多いのは70歳代前半で、2022年度には自主返納者が249人に達した。この年齢層の運転者による事故が依然として多い中、市ではコミュニティバスの乗車率向上策が求められている。具体的には、バスの無償化の導入やキャンペーンなどが提案されており、これにより高齢者のバス利用促進が期待されている。
次に、八潮市ではコミュニティバスの利用実績が数年で減少しており、新たな対策が急務とされている。特に、交通空白地域の住民に対する移動支援策や、バスルート再編の必要性が強調された。新庁舎の完成に伴い、公共交通を活用した市役所へのアクセス性向上が目指されている。
さらに、具体的な施策としては、タクシーチケットの配布やデマンド交通の導入も検討されている。ただ、現在のところデマンド交通導入の意欲は薄く、市は引き続き交通事業者との協議を進める方針である。
防災に関しては、水や食料の備蓄や避難所の整備状況が報告され、市民の防災意識の向上が求められる中、各家庭での備蓄が推奨されている。特に、市民が自ら準備を行う自助の意識を高めることが重要視されており、様々な講座やイベントが計画されている。
また、地域住民による自発的な防災活動の促進を図るため、市は地区防災計画作成支援を進めており、各地での防災活動を促す動きが広がっている。今後、市としては市民の声を反映しつつ、移動手段の充実と防災意識の醸成に注力する方針が確認された。