令和3年8月11日、八潮市議会は定例会を開催した。議題には令和2年度の一般会計歳入歳出決算や特別会計決算の承認、さらには新庁舎建設に関する工事請負契約の締結が含まれている。
最も注目を集めたのは、令和2年度八潮市一般会計歳入歳出決算の認定についてである。市は、この決算に対する質疑応答を経て、賛成多数での承認を得た。鹿野 泰司議員は反対の立場から、昨年の新型コロナウイルス感染症対策が財政に与える影響について言及し、「実質収支額が過去最高である一方、財政調整基金が増える一方で市民への具体的な支援が求められている」と述べた。
また、福祉環境常任委員会の瀬戸 知英子委員長が議案の報告時に、令和2年度八潮市介護保険特別会計歳入歳出決算も賛成全員で承認されたことを説明した。
議案に対する討論では、寺原 一行議員が、一般会計決算は「自主財源の確保」に言及しつつ、今後の施策の運営について慎重な姿勢が求められると訴えた。一方、郡司 伶子議員は国民健康保険関係の決算について課税の高さを指摘し、その軽減に向けた施策が必要と強調した。
新庁舎の工事請負契約についても熱い討論があり、池谷 正議員が反対する意見を発表した。彼は「新庁舎における市民活動スペースの屋根がないため、天候に左右される」ことや、効率の悪い動線について問題提起した。鹿野 議員もこの新庁舎のデザインに異議を唱え、利用者の視点を重視すべきだと発言した。これは今後の設計見直しが必要であることを示唆している。
最終的に、各議案は多くが賛成で可決される一方、議第13号、議第14号議案は否決された。市長からは、これらの可決案件に続けて、ワクチン接種や市民生活の安定に向けての努力を続けると表明された。