令和2年第1回幸手市議会定例会が行われ、議員たちから多岐にわたる質問が寄せられた。特に、四本奈緒美議員は、幸手市内保育所の周辺道路の安全整備について強く訴え、昨年の大津市の交通事故を引き合いに出し、市内保育園周辺の安全点検と整備が必要だと強調した。
四本議員は具体的に、第二保育所の正門前の市道1255線の横断歩道の安全性や周辺道路整備について質疑を行い、建設経済部長の手島秀明氏は、保育所側の歩道の設置が困難である旨を説明しながら、路肩の安全性を優先的に維持する考えを示した。さらに、四本議員が求めたキッズゾーンの設定についても、今後検討する方針を伝えた。
次に、災害時の対応として、福祉部長の金子光夫氏が乳児用液体ミルクの備蓄について言及した。現在、幸手市では、災害時に必要な乳幼児の応援体制を整えるべく、液体ミルクの導入についても検討しているものの、保存状態や経済性の観点で注意を要することを説明した。他自治体の取り組み事例も交え、液体ミルク備蓄の必要性を市民に伝え、今後の方針を決定する意向が示された。
さらに、四本議員は、幸手市のSDGsに関する取組についても言及。市長の木村純夫氏は、持続可能な開発目標の重要性を認識しており、地域に応じた施策推進の必要性を主張した。特に、条例に基づいた協議会において、これからの時代に向けた具体的な取組が必要であると強調し、職員研修や市民向け講座の充実についても言及した。
交通安全に関する質問では、坂本達夫議員がデマンド交通や公共交通について言及した。市民生活部長の関根雅之氏は、デマンド交通の見直しを進めており、実態把握を目的とし、アンケート調査を実施することを明らかにした。また、公共交通会議での意見を反映する方針も述べた。特に高齢者、障害者への交通サービス改善は喫緊の課題であり、今後も注力する姿勢を示した。
また、小林啓子議員からは、地域コミュニティのつながりを重要視した意見が相次ぎ、特に公共施設のアセットマネジメントが市民生活に直結するとの考えが強調された。空間利用の最適化や地元のニーズに基づく施策を推進することで、より良い公共サービスの提供に寄与することが求められた。
議会では、台風19号の教訓をもとに、行政の危機管理体制の強化も求められており、適切なマニュアル作成や避難行動要支援者の登録促進が提案された。市は、制度の見直しや新たな施策導入など、多方面にわたる市民ニーズの把握と政策への反映に努力していく姿勢を示している。