令和5年第1回幸手市議会定例会で、幸手市の新しい庁舎建設に向けた議案が中心議題として取り上げられた。
新庁舎建設審議会条例の質疑では、枝久保喜八郎議員が具体的な審議の範囲や委員の専門性、答申の期限について質問を行った。
株式会社など民間業者との意見交換も予定されており、地域団体の意見を重視するという考えが示された。
総合政策部長の落合和典氏は、「審議会は実務者が集まり、庁舎建設に向けた基本構想について7回程度の審議を経て意見を集約する」と説明した。
加えて、庁舎が果たす災害時の安全確保を強調し、整備方針が平成31年に策定されたことにも言及した。
この審議会のメンバーには専門知識を持つ市民等から選ばれた約13名が含まれる。必要性が問われる新庁舎建設やその財源に対して、枝久保議員はクラウドファンディングによる支援や、地域住民からの意見交換の必要性を主張した。この発言を受け、市長の木村純夫氏は、市民の声を柔軟に反映させることを約束し、過去の資金調達の失敗も踏まえて適切な調整を考えている表明した。
また、天神の湯廃止についても多くの質疑が行われた。市民から高い利用率を誇っていた同施設の廃止に対し、大平泰二議員からは「経済的な理由だけでなく、市民の安心・安全を守るための役割についても議論すべき」との意見がトラブルを招くと警鐘を鳴らした。これに対して市長は「市民の声を聞いている」としながらも、改修や修繕の必要性を強調した。
一方、各議案についてのさらなる質疑が行われ、特に財政状態の厳しさや今後の施策について慎重な意見が続出した。特に議案第17号の一般会計予算案に対し、「こども家庭センターが新設される意義や施策推進をどう位置づけるか」という議論が展開された。市長や部長は、市民のニーズに応じた施策を柔軟に行っていく考えを示した。これらの議論により、幸手市の未来に向けた財政運営がいかに進められるか、市民の期待する成果を着実に届けることが求められていることが明らかになった。