令和4年12月14日、埼玉県川口市議会の定例会が開かれ、一連の重要な施策が議論された。特に注目されたのは、「出産・子育て応援交付金」についてである。
この制度は妊婦に対し、一人当たり計10万円相当の支援金を給付するもので、出産後にも支援が行われる内容だ。具体的には、出産届提出時に5万円、出産後に5万円が支給される。市長は、妊婦に寄り添う伴走型支援の重要性を強調し、全ての妊婦を対象に保健士による面談を実施する意向を示した。さらに、妊娠届提出時の面談者の割合は約5割とのことだが、全妊婦への面談推進を目指している。
次に、低所得の妊婦に対する初回産科受診料の支援強化について議論された。子育て世代への支援が求められる中、経済的な理由からの受診躊躇を防ぎ、安心して妊娠・出産を迎えられる環境整備が必要とされる。この支援については国においても実施が予定されており、市長はその動向を見守りつつ連携した支援を検討していく考えであるという。
さらに、母子健康手帳のデジタル化も主要な議題となった。市は、国の方針に基づき、デジタル化の環境整備を進めるとともに、取得したデータを生かしつつ、利便性向上を図る意向を示した。
保育料の無償化に関しても、議員からの強い要望が寄せられた。市は現在、3歳から5歳の幼児教育・保育の無償化を実施しているが、0歳から2歳児の無償化は難しいとの見解を示している。
結婚新生活支援に関しては、対象世帯の所得要件が緩和される見込みで、より手厚い支援が求められる。
議会では、子ども施策を進めるための仕組みや育成体制、教育に関する課題も取り上げられ、特に不登校児童の支援策として不登校特例校設置が期待されている。さらに、校内フリースクールの設置は、個々のニーズに応じた柔軟な対応ができるとし、他市の事例を参考に議論が進められていく方向性が示された。
また、ヤングケアラーへの支援に対しても議論が活発化しており、生活実態調査を通じて実態把握を進めることが確認された。今後の周知啓発活動を強化し、必要な支援策を整備することが重要であるとの意見が寄せられた。
学校給食についても言及され、食物アレルギーに配慮した給食の提供体制が強化されていくことが期待される。