令和3年12月14日、埼玉県川口市議会において定例会が開催された。市長による新たな施策や条例に関する議案が上程され、多くの議員が市政への質問を行った。
特に注目を集めたのは、井上薫議員による水道料金減免制度の提案だった。井上議員は、コロナ禍での経済的困難を抱える市民への水道料金減免の恒久化を求めた。「低所得世帯に対するサポートが必要だ」と強調したが、市は一時的な制度を維持するとの立場を示した。
さらに、学校給食費の無償化についても質疑が行われた。井上議員は、給食費の負担軽減を求め、多くの自治体が導入している中で、川口市も導入するべきだと訴えた。これに対して教育総務部長は、無償化には毎年約19億円の予算が必要との見解を示し、現状では難しいとの説明を行った。
議論はさらに市内の公民館施設の充実へと続いた。井上議員は、公民館の社会教育主事の配置やWi-Fiの設置を提案し、専門家の指導を通じて地域の文化や教育の活性化を図るべきだと述べた。その一方で、市は利用状況を鑑みながら今後の設備投資を検討する意向を示した。
また、豪雨災害対策についても議論がなされた。井上議員は、貯留施設の整備が重要であると指摘し、新たな雨水整備の必要性を訴えた。市は、過去の台風等の経験を踏まえて、浸水対策に取り組んでいると答弁した。
最後に、議会では市長提出の追加議案、川口市景観形成条例と資材置場の設置規制についても質疑が行われた。稲川和成議員は、貴重な緑地を守るための施策強化を要望し、現行の基準に基づく厳格な運用を求めた。市はこれに応じ、制度の周知や違反者への指導を徹底する考えを示した。
この日議会での質疑応答は、市民の関心が高い問題に対して、議員と市役所がしっかりとコミュニケーションを取ることができた。今後の議論の進展が期待される。