令和5年の箕面市議会定例会継続会では、様々な重要事項が議論された。市長の上島一彦氏は、令和5年度施政及び予算編成方針について強調し、地域の実情に応じた施策を進める意向を示した。その中で特に注目されたのが、市役所の改革及び運営形態の見直しだ。
公明党の楠政則議員は、自らの事例を引き合いに出しながら、地域福祉の推進には市長との連携が不可欠と述べ、行政サービスの向上を訴えた。彼は「支え合い、安心と活力ある箕面」を目指すため、市役所改革が急務と強調した。
また、楠議員は箕面観光戦略にも言及した。市が昨年12月に発表した「箕面観光戦略」が重要な施策であるとし、その概要を市民に速やかに伝える必要性を訴えた。特に、観光資源を活用したまちづくりにおいて、地元の特産品であるもみじの天ぷらの保護と推進も訴えた。
市長は、観光振興には市民の理解と参加が重要であるとの認識を示し、早急に観光戦略を公表すると約束した。また、公民連携により観光の魅力を引き出し、地域活性化を図る方針を提出した。
さらに、保育士不足や待機児童の問題も議題に上がった。教育長の藤迫稔氏は、待機児童ゼロプランを策定し続けている状況を説明し、新たに90人定員の保育所を開設する予定であると報告した。しかし同時に、保育士の確保や保育環境の改善が必要であるとも明言した。
また、箕面市の医療体制についても、議論は行われた。中井博幸議員は、特に箕面東高等学校の定員推移とその背景について質問し、教育の質が地元経済に与える影響を指摘した。教育委員会としては、学校教育の充実だけでなく、地域全体の魅力向上につなげる学校運営が求められる。このような施策を通じて箕面市のブランド力を高める方針を強調した。
議会では新設校の校種に関しても議論が交わされた。新設校を小中一貫校にするべきか、教育の観点から意見が分かれ、施設の一体化がもたらすメリットについても田中真由美議員から指摘があった。
また、地域の交通インフラやまちづくりにも議論が広がった。北大阪急行線の延伸による人口増加に備えた都市整備についての期待が寄せられた。「健康寿命延伸の拠点」として船場東地区に健康関連の施設が整備されるのも注目された点である。
議会の最後には、市長が市議会職員に新年度の課題への取組を改めて強調し、全市を挙げて持続可能な開発目指していくとの意が述べられた。