令和2年3月定例会が池田市議会で開催され、複数の議案について慎重な審議が行われた。
特に注目されたのが、池田市空家等及び空き長屋等の適切な管理に関する条例の制定である。本議案では、市民の生活や財産を守るために、適切な空き家対策を実施する意義が語られた。市の担当推進監は「特別措置法での空き家認定が難しい長屋への適用を可能にし、市の調査が進められる」と強調し、所有者情報の調査が行えるようになる点が大きな進展であると述べた。
また、池田市国民健康保険条例の一部改正が、大きな関心を集めた。議案の審議で、国民健康保険の保険料引き上げについて質疑が繰り返された。この変更に対して、戸井謙吾市議は「多くの家計が厳しい状況の中での保険料の値上げは抑えるべきだ」と意見を述べ、市の責任感が問われる局面が見受けられた。しかし、賛成意見もあり、山田正司市議は「新たな保険料率制度が必要」と評価し、調整措置の重要性を指摘した。
さらに、池田市営住宅条例の一部改正に関する議案も可決された。これは家賃保証人についての適用を見直すもので、茶木史郎議員が「近隣市との比較も行い、必要な公正を現場目の当たりにした」と主張した。
他にも、池田市立幼稚園型認定こども園条例の制定に関する議案があり、幼稚園バスの有料化に対する反対意見が出ることが予想された。市長の冨田裕樹氏は「幼児教育無償化の流れの中で、原則は維持しつつ、施設の運営が必要」と語り、条例改正を推進していく姿勢を見せた。
この議会では、令和2年度の各会計予算が概ね承認され、地域課題への取り組みが続く中、市としての重責を果たすべくさらに努力を重ねる姿勢が示された。新年度を迎えての市民への発信、情報共有の重要性も改めて認識される結果となったと考えられる。