池田市長としての所信表明が行われ、新型コロナウイルス対策や教育環境の整備について、市長の思いを直接市民に伝える重要な機会となった。
新型コロナウイルス感染症対策では、ワクチン接種体制の充実が最優先課題であると強調された。瀧澤智子市長は、「全対象者の早期接種を目指します」と述べ、市民に安全な接種環境を提供する意向を示した。特に、教育を受ける中学生や若者への接種の重要性が強調され、迅速かつ簡潔な手続きで接種ができる体制づくりに注力する考えが示された。さらに、今後もサポート体制を強化していく必要性が語られた。
次に教育環境の整備について、瀧澤市長は、令和3年度内に全ての小・中・義務教育学校体育館への空調設置の完了を目指す方針を明言した。市民にとっても、快適な学習環境は重要であり、市立池田病院との連携を図るなどして、質の高い教育環境の実現を目指すと述べた。また、次世代を担う子供たちの教育において、教育者のスキル向上や、情報教育環境の充実が不可欠であると指摘した。また、タブレット端末を利用した教育にも着目しており、特に視力低下や書く力の低下にどう対応するかを重要視している。
心の教育の深化についても言及があり、他者を故意に思いやる心を育む施策が必要だとし、道徳教育や体験活動を通じた人間性の育成が求められると考えている。さらに、ヤングケアラーや子どもの貧困に取り組むための組織整備も重要であり、支援体制の構築を進めるとの見解も示された。
地域分権制度の今後の進め方に関しては、各地域の声を聞いた上で、提案権の維持とともにコミュニティの強化を図る重要性が強調された。市長は地域との対話を重視し、地域アドバイザー機能の強化も意欲をもって進める考えを明らかにした。
また、公共交通の新たな移動手段の創出については、特に高齢者や交通弱者にとっての利用可能な手段を模索することが必要であるとの認識が示された。市長は、2025年に向けた施策の具体化に向け、地域公共交通計画の策定を急ぐ考えを示し、万博開催までの道筋とフォロー体制を確保する意向を持ち続ける予定である。