令和6年3月の美里町議会では、大人の発達障害と不登校の児童生徒に関する議題が多く取り上げられた。特に、大人の発達障害者の支援策や、当事者会の設立についての具体的な施策が議論された。
美里町では、大人の発達障害者に対する現状の支援策として、精神障害者保健福祉手帳の取得が挙げられる。これは、障害者雇用や公共料金の割引、税金控除の特典が得られるものだ。また、障害福祉サービスや自立支援医療制度も提供されている。しかし、課題としては、グレーゾーンの方々は正式な支援を受けることができず、支援が限られてしまう現状がある。
福祉課では、大人の発達障害の当事者会が地域社会と協力して活動する際の支援の提供を約束した。具体的には、当事者会の活動を広報などで周知し、発達障害への理解促進に努めるとし、必要に応じた職員派遣も行う意向が示された。
フリースクールについても議論された。美里町では、ふれあい教室を設けており、不登校の児童生徒を対象に教育支援を行っている。この教室では、学校復帰を目指すための心理的支援や学習支援を行っており、今年度も利用した生徒が数名いる。今後の課題として、不登校児童生徒の支援の充実を目指し、フリースクールの設立よりも現在のサポートを強化していく方針が示された。
教育長からは、町の教育環境の理念として、すべての子どもに存在感や居場所を提供するための施策が重要視されていることが説明された。具体的には、学校での多様な教育活動や、心の問題への専門的支援が挙げられ、地域社会で子どもを支える取り組みが進行中であることを強調した。
このような議論を通じて、美里町は教育環境の充実と共に、大人や子どもの発達障害者への支援を網羅した町づくりを志向している。特に、地域での暮らしやすさ、支援の多様性をさらに進めるための活動が期待される。