令和4年3月、相模原市議会は予算案を議論する定例会議を開催した。中でも、注目されるのは一般会計予算である。これにより、個人市民税の大幅増収が見込まれるが、同時に生活保護世帯の増加が懸念されている。特に、住民税非課税世帯への支援として、約11万世帯に給付を行う方針が示されている。
また、コロナ禍の影響により、地域経済の厳しさも指摘された。市内の飲食店など中小企業は、緊急融資でしのいでいるものの、今後の返済が本格化することで倒産の危機が高まっている。市長は、地域経済に対するきめ細かな支援を続ける必要があると強調した。
医療体制の確保も議案の一つである。市長は、神奈川県内における病院数と病床数の不足を指摘し、必要な医療供給体制の強化に向けた取り組みを表明した。特に相模原赤十字病院と東芝林間病院の重要性を強調し、国に対してそれらの病院が地域医療に貢献していることを訴えていく方針を示した。
さらに、議案の一環として加齢性難聴者への補助制度も議論された。市は新たに介護予防モデル事業を開始し、補聴器購入費用の助成を行うことを決定した。この制度導入により、高齢者の社会参加を促すことが期待されている。
市民生活への影響についても多くの意見が出た。生活困窮者への支援策や、女性への継続的支援が特に必要とされている。最近の経済状況により、コロナ禍で非正規雇用の女性が厳しい状況に置かれていることが、今後の市の施策に大きな影響を与えることは間違いない。市長はその必要性を強く認識していた。
このように、予算案は単に財源の配分を示すだけでなく、市民の生活や社会が直面する実情を十分に反映した動きが求められている。市は今後、危機にある市民に寄り添った温かい施策の実施を強く願われる。