令和6年6月28日、相模原市議会において6月定例会議が開催され、多くの議案と陳情が審議された。最も注目を集めたのは、地方財政の充実を求める陳情第4号であり、総務委員会の佐藤尚史委員長による報告で採択された。
今回の陳情では、地域手当の支給割合に関する特別交付税の取り扱いについて、地域労働市場を反映した賃金水準の確保が求められた。また、地域手当の引き上げについては、民間の賃金水準を適切に反映させることが必要との見解が示された。そのうえで、国に対し、今後の地域手当の設定について再検討を促すことが確認された。
続いて審議されたのは、議案第69号の相模原市立高齢者デイサービスセンター条例を廃止する条例である。民生委員会の榎本揚助委員長が提案内容を報告し、施設の廃止に伴い利用者への説明とサポート体制について問われた。市は安定したサービスを維持する計画を示しながらも悉く賛否が分かれ、反対討論が多く寄せられた。
市立デイサービスセンターの運営を再考し、高齢者福祉施策として今後の利用者の実態を考慮する重要性が強調された。市側は人材確保を継続的に行うとの見解を示しつつも、反対意見に対して十分な応答ができなかったとの批判が上がった。関与する議員からも、今回の廃止の決定が市民ニーズに基づいているのかという疑問が投げかけられた。
次に取り上げられた陳情第5号は、中山間地域の診療所の存続についてである。市が提示した診療所の再編案には高齢者医療の観点から賛否があり、議論が巻き起こった。反対意見からは、地域住民が求める適切な医療サービスの提供を保障する必要があるとの声が上がり、今後の施策は住民参加の下、より透明性を持った形で進められる必要があるとの結論を導いていた。
相模原市では、地域のニーズに根ざした公的サービスの質を高めるため、今後も議会での審議を重視し、議員と市民の意見交換を活発化させる動きが期待される。次回の定例会議に向けて、各議員が地域の声を反映させるための準備を進める必要があるだろう。