令和3年9月の紫波町議会定例会では、新型コロナウイルスに関連するワクチン接種や、ヤングケアラー問題、財政健全化策など重要な議題が議論された。
17番議員の藤原惠子氏は、新型コロナウイルスのワクチン接種について、スムーズに行われていることに感謝の意を表明した。彼女は、強い感染力を持つデルタ株の影響で感染者が急増している現状を踏まえ、医療提供体制の強化や感染防止対策を進める必要性を指摘した。また、3回目接種の無料継続や、予備費への来年分ワクチンの計上に言及し、事業所支援や生活困窮世帯への施策についても政府の対応を期待した。
さらに、藤原氏はヤングケアラーと在宅介護に関する質問を行った。この問題について町長の熊谷泉氏は、国の実態調査を踏まえ、ヤングケアラーの家庭全体支援の重要性を述べた。調査結果では、中学生の17人に1人、高校生の24人に1人が世話をしている家族がいるとされ、特に兄弟の世話が多いことがわかった。
藤原氏は、ヤングケアラーの実数把握の必要性と地域の支援体制について再質問した。これに対し、生活部長の中田秀男氏は、潜在的なケースは存在する可能性が高いと認めつつも、特定の事例は今のところ確認されていないと説明した。依然としてヤングケアラーの認知度が低く、サポートの必要性があると強調した。
議論は続き、財政健全化についても深掘りされ、藤原氏は経常収支比率が高く危機感を持っていることを伝えた。熊谷町長は、93.1%の経常収支比率を下げる見通しを述べ、収支バランスを考えた施策が必要とされる現状を説明した。財政調整基金の残高回復のために、予算の見直しや経費削減に取り組んでいるとした。
藤原氏は、老朽化した公共施設の維持管理や新たな支援策への要望を強め、地域支援や行政の柔軟な運営を求めた。町長は、地域の実情に配慮し、より良い町づくりへ向けた努力を続けていく意向を示した。