新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中、町内の状況について様々な意見が交わされた。その中で特に高齢者施設や教育現場における対策が注目されている。
町長の熊谷泉氏は、「新型コロナウイルス感染症対策本部において、町民に対して基本的な感染症対策を徹底するよう呼びかけている」と述べ、県や保健所と連携して冷静に対応していく必要性を強調した。この意見には、感染者の確認が町内で行われている現状から、多くの町民が不安を抱える中、地域全体での感染症対策が求められているという分析がある。
一方で、感染者が発生した場合の職員の宿泊所の確保に関しては、今は保健所の指示に従う方針であり、町が待機場所を確保することは考えていない。この点について、及川ひとみ議員は「町としてできることを考える必要がある」と指摘した。特に、介護施設では活動を支える職員の確保が重要だとされており、今後の対策が期待される。
さらに、細川惠一議員は高齢者施設の利用者への影響や、コロナ感染とインフルエンザの同時流行に備えた検査体制の強化を求めた。生活部長の羽生広則氏は「感染が確認された際には、情報を的確に周知し、町民が安心して受診できる環境を整える」と説明したが、今後の体制整備については国や県の方針が影響することに留意が必要だと述べた。
また、農政問題にも触れられ、町内では外食需要の急減により、米の在庫が増加している現状が説明された。熊谷町長は「紫波町農業再生協議会では需要を見据えた生産調整を行っている」とし、地域の農家への影響を最小限にする取り組みを継続するとした。細川議員が尋ねたヒメノモチの販売状況については、やはりイベントの中止が影響しているが、個々の加工業者がそれでも頑張っている様子が窺えた。
新設される学校についても、感染症対策を配慮した設計が求められ、教育環境の変化が期待される。教育長の侘美淳氏は、現在の計画を基に新たな生活様式に沿った教育を続けて行く方針を示した。
このように町としても、地域の実情に応じた柔軟な対応が求められている。コロナ禍の影響が収まることが期待されるが、その間にも様々な障壁を乗り越えるための施策が必要とされる。