紫波町議会が行った9月定例会では、主に高齢者事業等の施策に関する質疑が行われた。特に敬老会の変更に関する質問が目立ち、多くの議員がその必要性や方針の透明性について問う姿勢が見受けられた。
11番議員の及川ひとみ氏は、高齢者事業についての一般質問を行った。昨年のまちづくり座談会で、敬老会の開催方法が変わる可能性があることが示唆されていたが、広報や招待状には「今年度最後の敬老会」との記載があったため、変更の経緯についての説明を求めた。また、運営の困難を理由にした方法変更が、本当に継続不能なのか疑問を呈し、さらなる意見聴取の必要性を指摘した。
これに対し、熊谷町長は尊敬の念と交流の場である敬老会の意義を強調しつつ、最近の高齢化の進展とそれに伴う課題を訴えた。ボランティア不足や参加者の増加、財政面での厳しさが現行システムの見直しを必要としていると説明した。また、地域の特性に応じた敬老会の在り方を模索する姿勢を示した。
さらに、教育支援に関する質問も行われた。藤原恵子議員は、隠れ不登校の問題や欠席する理由について質問し、学校側のサポート体制の重要性を論じた。教育長は家庭訪問や個別支援の取り組みを強調したが、地域間での格差も指摘された。今後、教師とカウンセラーの連携の重要性や、子どもが安心して相談できる環境整備についても検討が求められている。
また、駅のバリアフリー化に関しても質問がされた。駅へのエレベーター設置について、町民の期待が高まる中、整備予定の紫波中央駅へのエレベーター設置について町長が現状を説明した。国の整備方針に基づく優先順位があるため、整備には時間がかかることや、将来的にも高齢化が進む中での要望を重視しつつ、引き続き鉄道事業者との協議を進めることが努められた。
待機児童問題に関しても議論が展開され、3歳未満児を中心とした保育ニーズの増大に対応するため、さまざまな施策の策定が進められている。3歳未満の待機児童を解消するため、複数の小規模保育所の開設が計画されており、地域のニーズに応える必要性が強調された。これらの施策は、社会全体の福祉向上や少子化対策に寄与することが期待されている。
最後に、行政コスト計算書の活用についての質疑も行われ、透明性を高めるための取り組みや、資産管理の重要性について見解が求められた。将来的には公共施設の長寿命化やコスト意識の向上が求められていることが再確認された。