令和2年7月10日、尾張旭市議会定例会第3回(6月)の本会議が開催され、議員提案や市長提出の議案が審議されました。
大きな注目を集めたのが、「議員提案第2号」でした。この提案は、新型コロナウイルス感染症の影響による市民生活への打撃を考慮し、尾張旭市議会議員の月額報酬を10%削減し、その削減分を市内経済復興や生活困窮世帯への支援に充てることを目的としています。
これについて、山下幹雄議員は、市民の生活を守るための自らの責任を強調しました。彼は「財政的に余裕のない尾張旭市が、大幅な税収減に直面している今、議員が報酬を受け取るのは市民の理解を得ることができない」と主張しています。
しかし、議論は一様ではなく、片渕卓三議員は反対の立場から意見を述べました。彼は「議員報酬削減の効果は限定的であり、議員としての活動が制約を受けることでなり手不足を招く」と危惧しています。また、若杉たかし議員も反対の意見を示し、「議員が報酬を削減するよりも、市民に寄り添い、生活支援策の重要性を理解すべき」と訴えました。
この議案は結局、少数の賛成で否決されましたが、新型コロナウイルスに関連する議論は引き続き重要なテーマとして残ります。
続いて審議された第47号議案では、森和実市長が新型コロナウイルス対策のために、市長、副市長及び教育長の給料月額を20%、10%削減することを提案しました。市長は、削減分を子育て支援に充て、未来を担う子供たちへの投資とする意向を示しています。
この議案についても熱い議論が展開され、賛成の意見が相次ぎ、最終的に多数決で可決となりました。議会側の姿勢が市民の期待値に応えるものとされた形です。
また、決議案第1号、新型コロナウイルス感染症対策における議会の支援に関する決議の提案もあり、こちらは全会一致で可決されました。これは、未来を担う子供たちに対する支援が含まれていることから、議会全体の姿勢が明確に示されたと言えるでしょう。尾張旭市の議会は、新型コロナウイルスの影響を受ける中で、議員としての役割を再確認し、住民生活の向上を意識した審議を展開しています。