尾張旭市の令和3年6月定例会で、無形民俗文化財や教育相談体制、子宮頸がんワクチンの接種促進、給水装置工事に伴う加入負担金、そして住宅地域の交通安全についての議論が交わされた。
無形民俗文化財に関する質問では、指定された打ちはやし、ざい踊り、馬の塔などが継承を担う保存会によって育まれているが、参加者が減少傾向にあることが懸念されている。各保存会が抱える課題として、後継者育成の難しさが浮かび上がり、特にコロナ禍で活動が制限される中、伝承の場を提供する重要性が呼びかけられた。市は、無形民俗文化財を育てるための様々な事業に取り組んでおり、子供たちを対象に地元の伝統を知る機会を設ける方針を示した。
いじめ・不登校対策に関しては、近年の不登校児童生徒数が増加傾向にあることが報告された。いじめに関する調査では、子供たちが困難に直面した際に適切に相談できる環境の整備が求められるとした。特に、加害側の意識調査の結果から、いじめの認識が低いことが指摘され、教育現場での指導が強化される必要性があるとされた。
子宮頸がんワクチン接種の周知も重要なテーマとして扱われた。市は、中学1年生の女子保護者への通知を行う計画で、情報提供の必要性が強調された。さらに、高校1年生への情報提供も行い、ワクチン接種を促進することが方針として示された。接種の重要性に加え、専門的な知識を持ったカウンセラーが学校に常駐する体制の充実が必要であるとの意見もあがった。
給水装置工事に伴う加入負担金に関する質問では、本市の負担金が近隣市と比較して高いことが指摘され、周知の必要性が強調された。加入負担金は公共の福祉を維持するためのものであるが、長期的な視点での見直しも求められた。
最後に、住宅地域の交通安全についても言及された。生活道路での交通安全対策として、ゾーン30の整備や地域の交通指導員による巡回が行われており、さらなる取り組みが求められた。市民が快適に生活できる環境の構築を目指すため、交通安全のために各種施策を推進する姿勢が見られた。
これらの議論を通じて、尾張旭市が抱える課題と向き合いながら、地域社会が一丸となって取り組む重要性が改めて確認された。