令和元年8月22日、庄内町の全員協議会が開催され、観光産業の振興に関する重要な協議が行われた。中でも、産業建設常任委員会の閉会中の所管事務調査中間報告が特に注目された。
つい先日行われた研修会での内容を含め、庄内町の観光事業の現状と将来展望が議題として挙げられた。産業建設常任委員長の五十嵐啓一氏は、「観光交流人口が100万人を越えようとしている中で、観光収入や経済効果が不十分である」と強調した。この観点から、調査目的は観光産業が抱える課題を明らかにし、より具体的な施策を策定することにある。
報告書では、本町の観光事業の一例として「楯山公園桜まつり」や「月山龍神マラソン」の成功事例を紹介し、交流人口の増加や観光産業の振興がもたらす経済効果に期待を寄せた。しかし、五十嵐委員長は「現在の観光収入は数値で示しておらず、詳しい分析が必要不可欠である」との認識を示した。
また、視察調査として訪れた群馬県甘楽町の成功事例も取り上げられた。甘楽町では地域資源を活用した観光振興が進み、多くの観光客を引き寄せている。五十嵐委員長は「甘楽町の観光地経営の成功事例は、本町にとっても貴重な参考になる」と述べた。特に甘楽町の「KANRAブランド商品」の認定制度は、地域特産品の価値を高める取り組みとして意義深いものとされる。
議員からは、今後の調査や施策において観光収入の明確な数値把握が求められるという意見が相次いだ。齋藤秀紀議員は「観光交流人口を受け入れる体制が整っていないと、収入につながらない」と指摘し、観光客を惹きつける施策の重要性を訴えた。他の議員からも「観光業界の現状と課題を正確に把握するための調査が必要であり、具体的なデータが不可欠である」との意見が述べられた。
協議の中で議員なり手不足解消に向けた取り組みや、決算特別委員会に関する議題も取り上げられたが、観光産業に関しての議論が特に活発であった。また、議員派遣に関する日程も確認され、今後のスケジュールが承認された。全体会議は円滑に進行し、閉会時には関係者の努力に感謝の意が表された。
さらに、委員からは協議内容の充実を図るためにも、住民や観光事業者を対象にした意見募集を行い、より多角的な視点からの施策立案が望まれるとの意見が集まった。今後、庄内町が観光産業の振興に向けて具体的な戦略を打ち出し、地域経済の活性化を図る取り組みが一層期待される。