令和4年6月7日に酒田市議会の定例会が開催された。議会では、令和3年度の各種当期の会計報告と様々な条例の改正案が議題となった。特に重要視されたのは、令和4年度の一般会計補正予算及び新型コロナウイルスワクチン接種に関する取り組みだった。
市原栄子議員(日本共産党)は、補正予算のあり方について質疑を行った。議員は「新規事業の提案が遅れていることに注意が必要」と指摘した。具体的には、子どもまつりの中止に伴う減額補正を挙げ、「この事業の中止が決まった時点で、減額補正を行う機会があったのでは」と問いかけた。この質問に対し、丸山至市長は「当初予算作成時に補助採択がなかったことから、定例会で補正をお願いするとの判断」と答え、今後の対応について意欲を示した。
さらに議員は新型コロナウイルスワクチン接種拡大について意見を述べた。特に、接種率の向上が急務であると強調した。市原議員は、「当市も62.4%と全国平均を上回っているが、特に若年層に対する接種促進が必要」と述べ、市民への呼びかけについて質問した。市長は現状の接種状況を説明し、特に高齢者層でのワクチン接種が進んでいることを報告。「今後も医療機関と連携し、接種を促進していく」と語った。
また、議員は教育関連として、小学校と中学校の給食事業に関する質疑を行った。最近の物価高騰が影響し、給食食材費の増額補正が提案されていることから、「給食費の無償化については?」と質問した。これに対して、鈴木和仁教育長は「完全無償化には約4億円の恒久的な財源が必要」と指摘し、現段階では難しいと回答した。
議会の最後に、高橋千代夫議長はすべての議題を終了し、次回の会議予定日を告知した。議会は今後の課題、特に財政の運営や防災対策、教育施策については引き続き注視していくとされた。議長は「市民生活の向上に向けた方策が求められ続ける」と強調し、本日の会議を締めくくった。