令和4年度酒田市議会の定例会では、エネルギー問題とカーボンニュートラルに関する各議員の質問が相次ぐ中、特に酒田共同火力発電所の存続問題が注目を集めた。
まず、酒田共同火力発電所に関する議論が行われた。丸山市長は、発電所の存続が市の雇用と経済に与える影響の重大さを主張し、東北電力と連携して存続を訴える姿勢を見せた。また、石炭火力発電の廃止方針についても議論があり、地域経済にとって重要な発電所を守るためのアクションが求められているという認識が示された。
さらに、再生可能エネルギーの推進に関する具体的な取り組みも報告された。酒田市は早くから太陽光発電や風力発電など、多様な再生可能エネルギーの導入に成功しており、これにより地域経済を活性化する基盤を整備してきたことが強調された。また、統計によると、本市の電力収支は他市より良好であることが述べられた。
地域のエネルギーに関する循環分析も行われ、年間69億円がエネルギー代金で流出しているという指摘があった。地域経済循環分析ツールが活用され、本市における経済の流れやエネルギーの使用状況が議論された。
加えて、地域新電力の設立が提案され、地域資源を活用したエネルギーの地産地消が期待される様子も伺えた。丸山市長は地域新電力の設立について、リスクとメリットが存在することを踏まえ、慎重に進める必要があるとの見解を示した。
最後に、カーボンニュートラルの達成に向けた取り組みが議論とされた。酒田市では、2050年を目指し、地域の特性を生かした具体的な施策が進められている。この中には農業とカーボンニュートラルの関連性が含まれ、バイオ炭や木骨ハウスといった持続可能な農業資材が注目されている。
これにより、生分解性鮮度保持袋やソーラーシェアリング、さらにJ−クレジット制度の導入が提案されており、地域の経済と環境を両立させるための新しい方向性が見出されることを期待されている。市としても、こうした地域内循環を促進する取り組みが急務であるとの認識が広がりつつある。