令和5年6月21日に開かれた定例会では、数多くの重要な議題が取り上げられた。この会議は特に鳥獣被害防止策や飛島の事情に関する取り組み、さらには有機農業や不登校児童生徒への支援策についての議論が中心だった。
特に注目を集めたのは、鳥獣被害防止対策に関する質問であった。齋藤美昭議員は熊やイノシシによる被害が増加している現状に対し、「今年に入って目撃された熊の件数がすでに105件を超えている」と述べた。また、実際の農作物被害や人的被害の危険性が高まっていることに言及し、実効性のある対策を求めた。
この点について村上祐美市民部長は、「現在行っている有害鳥獣捕獲事業や家畜の守りを強化するための施策に取り組んでいる」と答えた。市では、食害の発生を抑制するために、ICTを活用した捕獲事業の強化も進めている。また、猟友会との連携を強化し、若年層の新規加入を促すために「狩猟免許取得助成制度の導入」を検討中であるとした。
次に、飛島についての討論が行われた。この地域が特定有人国境離島地域へ指定されることによるメリットは大きく、加えて、地域振興に向けた取り組みも強調された。中村慶輔企画部長は、飛島が特定離島に選ばれることで「生活の質が向上し、地域経済の活性化が期待される」とし、具体的な支援メニューの整備が進んでいることを強調した。具体的には、運賃の軽減や物資の輸送コストの削減が図られる見込みである。
また、有機農業への取り組みが進められており、特に学校給食への地元産品の導入が鍵となる議題であった。久保賢太郎農林水産部長は「地元農産物の七割以上を活用しているが、今後有機農産物の供給体制をより強化していく必要がある」と述べた。学校給食との連携については、地元産の有機農産物をどのように提供できるかが重要であるとし、これを実現するための体制を整える必要があると述べた。このように市としては、地域の特性を活かしながら、様々な農業施策が進行していることが印象的である。
また、不登校児童生徒への支援が取上げられ、メールを活用した情報提供が効果的であるとの意見が共有された。教育部では「リモート授業制度を充実させるための取り組みを進めている」との発言があり、より多くの生徒が教育を受けられる環境を準備していることが示された。
この定例会は、酒田市が抱える諸課題に率直に向き合い、地域に根ざした解決策が議論される場であった。市の政策が実を結び、地域住民、特に若者の生活が豊かになるための努力が続けられることが期待される。