令和5年10月3日に開かれた酒田市定例会では、矢口明子市長が所信表明を行い、市民からの期待を背負った新たな施策について講じた。
市長は、人口減少の進行を抑制することが喫緊の課題であると指摘し、若者が安心して育ち、生活できる環境を整える必要性を訴えた。特に、出産・育児・介護に対するサポート体制の充実が重要であり、家庭内での家事分担を促進するとともに、保育や介護サービスの整備を強調した。
また、矢口市長は、酒田市が美食のまちとして位置づけられることに期待を寄せ、観光産業の活性化を目指す方針を示した。外貨を稼ぐ観光戦略には、酒田の食文化を生かした地域の魅力を発信することが含まれ、特にデジタル技術の活用が鍵を握るとした。市の取り組みとしては、地方創生を目指したイベントの開催や、観光客誘致につながるコンテンツづくりが挙げられた。
さらに、公共交通問題に触れ、市内における買物弱者対策が急務であるとの認識を示した。デマンドタクシーやバス路線の見直しを通じて、市民の利便性を向上させる必要性が強調された。市長は、バス路線の整備と適正化を進め、市民の暮らしを支える力を向上させる方針を表明した。
市民からの反応として、継続的な施策の実施と、円滑な実行体制の構築が必要であるとの意見が挙がり、今後の具体的な施策展開への関心が高まる中で、議会でも住民の声を反映した施策推進が期待されている。
このように新市長の施策の舵取りは、市政に対する市民の期待感を背景に、酒田の未来をどのように描いていくかが試される時期に入っている。