令和3年12月23日、酒田市の定例会が開かれた。この会議では、後藤啓議員が鳥海山・飛島ジオパークに関する一般質問を行った。近年、鳥海山・飛島地域の住民たちは、地域の自然遺産を活かした取り組みに積極的だ。昨年度は新型コロナウイルスの影響で多数のイベントが中止、延期されたが、今年度は様々な活動を通じて地元の財産を守り、地域振興を図る方針が強調された。
後藤啓議員は、鳥海山・飛島ジオパークのイベント開催状況についての質問を投げかけた。これに対し、丸山市長は、玉簾の滝のライトアップや飛島での保全作業など、地域活動が順調に進んでいると述べた。また、ジオパークの再認定を受けて、次の目標として世界ジオパーク認定を目指すことが強調され、地域住民の積極的な参加が不可欠であるとの見解が示された。
次に、温泉と宿泊施設の維持管理の問題が議論された。各温泉施設は老朽化が懸念されており、特に浴室の機能不全が生じている内容が報告された。これに対し、佐々木地域創生部長は、各施設の不具合に対する対応策を説明し、今後の維持修繕計画についても言及した。
さらに、有害鳥獣による農産物被害対策についても議論が進んだ。農業委員会の五十嵐会長は、この問題に対する捕獲の取り組み状況を説明し、従事者の確保が難しくなっている実情を共有した。狩猟者の減少は深刻であり、このままでは駆除業務に支障をきたす可能性が指摘された。今後は地域の有害鳥獣対策において、参加者の意識向上についても強調されている。
全体を通して、地域振興に必要な施策が確認され、特に議員たちの質問が浮き彫りにした現場からの声について、引き続き真摯に取り組む姿勢が表明された。市の財政や施策の効果は、この地域に根ざした取り組みを通じて強化されることが期待されている。