今月の定例会では、特に市民のデジタル改革とその影響が重点的に議論された。
市原栄子議員は、国が進めるデジタル化に伴う課題について質問し、地域のデジタル化の実態を把握する必要性を指摘した。特に、マイナンバーカードの普及については、「申請状況が順調に進んでいるが、強制的な導入にならないか懸念がある」と憂慮するコメントを発表した。市長の丸山至氏も「マイナンバーカードは任意であり、必ずしも強制にはならない」と応じた。
また、行政のデジタル化についても発言があり、「自治体システムの標準化が進められる中で、独自性の抑圧を懸念する声がある」との問に対し、企画部長の宮崎和幸氏は、「各自治体の多様性を尊重し、独自施策の継続を可能にする方法を模索している」と説明した。デジタル化の進展が市民の利便性を高める一方で、個人情報保護の強化が必要であるという意見も出た。
次に、要介護認定者の特別障害者手当についての議論が盛り上がった。菊池裕基健康福祉部長は、受給者数の横ばいが続いている現状を報告し、「手続き並びに周知方法の改善が急務である」と強調した。特に、認定申請を迷う高齢者や、軽度の障害者に対する支援が求められている。
岩手県の成功事例を参考にし、市独自の福祉施策の周知をさらに強化する必要があるとの意見が上がった。これに対し、健康福祉部長は、「今後、福祉の窓口と介護の連携を強化し、申請手続きを円滑化していきたい」と述べた。
さらに、高齢化社会における公営住宅の課題が取り上げられ、特に単身者向けの住宅不足が問題視された。市原議員は、「高齢者も安全に生活できるバリアフリー住宅の整備が急務である」と訴え、住民のニーズを十分に反映させてほしいと要望した。市は、現在の住宅の改修や新たなバリアフリー仕様の公営住宅の作成を進める必要があると認識している。
このように、今定例会では市民の生活に直結するデジタル改革や福祉施策の重要性について改めて認識が深まった。今後も市としては、各施策の実効性を高め、シームレスなサービス提供が求められると感じている。