令和6年9月30日に開催された酒田市定例議会では、令和5年度の決算報告が行われ、各議員から質疑が展開された。特に、財政の健全化や経済波及効果に関する質問が目立った。
初めに、酒田市長の矢口明子市長は、令和5年度の決算において実質収支が13億6,000万円の黒字を記録したことを報告した。この結果、財政調整基金は39億8,000万円に達し、過去最高水準であると述べた。しかし、一般会計の歳入に対して歳出が増加した点が懸念され、議員からは更なる財政の健全化に向けた取組が必要とされている。
武田恵子議員は、市債発行を抑制する取り組みとそれによる経営への影響について質問を義出し、市長は「プロジェクト30-30の導入により、市債の発行額を30億円に抑制し、さらなる財政健全化を目指している」と回答した。
また、田中斉議員は大学の公立化について質疑を行い、特に経済波及効果が注目された。市長は「公立化することで学生の集まりやすさが向上し、地域経済に良い影響を与える」と期待を表明した。
次に、斎藤周議員はサンロクIT女子プロジェクトに関する取り組みを問い、市長は「このプロジェクトを通じて、女性がITスキルを習得し、地元企業での雇用創出を目指す取り組みを強化していく」と強調した。これにより地域の若者がUターンするための環境作りに努める姿勢を示した。
質疑の中では、特に移住促進策についても言及され、矢口市長は「移住者のニーズを把握するため、定期的に交流イベントを開催し、地域とのつながりを大切にしたい」との意向を表明した。
議論は財政面での厳しさもあり、質疑者から市民との信頼を保ちつつ予算を見直す重要性が延べられ、さらなる政策の充実と市民サービスの向上を求める声が強まった。今後の議会においては、令和6年度に向けた予算編成が焦点となるだろう。