令和5年12月18日に行われた酒田市の定例会では、多様な課題が論議された。特に、遠田敏子議員によるディスレクシア(学習障がい)への取り組みや認知症施策の推進が注目された。
まず、ディスレクシアについては、我が市の教育委員会が取り組んでいる現状が説明された。市内の小中学校で、約120名の児童生徒が、デジタル教科書やICTを用いた支援を受けているという。教育次長の佐藤元氏は、早期発見と適切な支援が重要であり、就学前の相談を通じて保護者の不安を取り除く取り組みを進めていると述べた。
認知症関連の質疑においては、認知症が尊厳を保ちながら生きることができるように、地域全体での理解と支援が必要だと強調された。特に、地域の認知症カフェの効果的な利用状況を報告し、参加者が安心して情報交換できる環境の重要性を訴えた。
また、子宮頸がんワクチンのキャッチアップ世代に対する説明も含まれ、特に健康福祉部長は、期限内に接種を完了する意義を強調。氏は「今後も周知方法を工夫し、接種を促進したい」と述べた。
そして、洋上風力発電事業においては、地域経済への影響を考慮し、酒田港を拠点とする整備が進められる必要性について議論された。市長は、このプロジェクトによる経済波及効果の期待感を示しつつ、地元企業との連携を強化していく考えを明らかにした。
さらに、AEDの設置状況や医療的ケア児への成人移行後の支援体制についても質問が寄せられた。市側は、地元のサポート体制の難しさを認め、効果的な施策を打ち出すことが求められていると強調した。
本議会でも、多くの市民に影響を及ぼす課題が取り上げられ、今後も市民の意見を反映させた施策の実現が期待されている。