令和3年3月4日、伊豆の国市議会では、施政方針と新型コロナウイルス対策に関する一般質問が行われた。市長は、施政方針において「未来づくり予算」として、特に「地域医療の充実」を強調した。新型コロナウイルスに対する市内感染者数が118人を超えるなど厳しい状況にあることを受け、市民の健康を守る体制の構築を目指している。
市長は現状について踏まえ、地域包括ケアシステムの必要性を述べた。在宅型の支援体制を充実させるという方向性を確認し、特に医師と高齢者施設、ホームヘルパーの連携が重要であると指摘した。また、地域医療の充実を図るため、医療機関や施設との連携を強化する考えを示した。
次に、公共施設の再配置計画について質問があり、課題の一つが各施設の利用状況の分析と、整備計画に関する見直しであると市長は述べた。特に、文化施設と高齢者福祉施設の統合について言及し、計画の変更や進捗具合を確認し、しっかりとした利用状況をもとに今後の改修や整備の判断を進める方針を示した。その中で、専門機関と連携し、市民の意見を反映する柔軟な対応を取ることが必要であるとも語った。
さらに、ワクチン接種に関しても質問がされた。市は、ワクチンの接種券を発送し、集団接種や個別接種を実施する計画だが、事前の情報提供にも力を入れ、市民へのリーチを強化する方針である。特に、未接種の市民に対する情報提供や接種機会の確保を重視し、地域医療機関との連携を深め、接種が円滑に進む体制を作る必要があるとの認識を持っている。
また、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に関連するミュージアム設置についても言及された。過去の大河ドラマの一過性から脱却し、持続的な地域経済活性化に向けて、義時を地域の歴史的背景とともに広めていきたいという考えが示された。ここで市民の意見が重要であり、透明性を持った説明や情報発信が今後の大切な課題であるとされている。
大河ドラマ館の設置にかかる費用は推定5億3千万円にのぼり、これには賛否が分かれているものの、地域の観光資源を発揮・発信し、来訪者を引き寄せる効果を期待されている。この点では市民の声をしっかりと受け止め、柔軟に対応する必要があると追加されている。