令和3年第2回伊豆の国市議会定例会が6月10日、伊豆の国市役所で開会され、市民に向けた多角的な行政報告が行われた。市長の山下正行氏は、その所信表明の中で、市民の声に耳を傾けた公平で公正な市政運営を宣言し、特に高齢化に伴う課題に対して包括的な支援を提供する方針を示した。
山下市長は、就任後初めての定例会における所信表明で、市政運営の五つの柱を掲げる。その中で、まず「市民が主役」であることを強調し、透明性の確保と市民との協働の重要性を訴えた。また、財政面についても厳しい状況を認識し、市民生活に直結する事業継続と経済の活性化を目指す方針を示した。
特に、観光業の振興では、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた業界への支援を強化することで、伊豆の国市の地域資源を最大限活用し、訪問者の増加を図ると述べた。来年の大河ドラマ放送を契機に、地域を活性化させる取り組みへの期待も寄せた。
加えて、山下市長は高齢者や障害者への支援策として、地域社会での助け合いと市民協働による福祉の推進方針を明確化し、具体的な施策展開を予告した。市内の医療体制の強化や交通利便性の改善に努めるとし、福祉の充実を図る考えを示した。
また、予算関連では、一般会計補正予算を含む多くの議案が提案され、特に議案第35号においては、歳入歳出それぞれに1億1,000万円を追加し、総額226億1,400万円とする補正予算が提案された。議会の運営には全議員の参加が求められ、透明性の高い議論でのスムーズな意思決定が期待される。