令和4年第2回伊豆の国市議会定例会では、農業振興や空き家対策に関する重要な議題が取り上げられた。特に注目されたのは地理的表示(GI)保護制度の活用である。この制度は地域産品に付加価値を与え、ブランドとしての確立を目指すものである。市長は、「地域ブランド産品として差別化が図られ、高価格で取引されることが期待できる」と述べ、その効果を強調した。
市内の農産物としては、天野地区の柿と田中山地区のスイカが挙げられ、これらの品種はGI制度の候補になる可能性がある。市からは生産者団体の形成や登録手続きについての支援が行われる方針である。また、政府のサポートデスクを活用し、生産者の理解を深めるための取り組みも必要だとされた。
一方で、空き家対策についても議論が行われ、現状の空き家調査が271戸に及ぶことが報告された。この中には、良好な管理がされている空き家もあれば、管理不全なものも存在する。具体的な意向調査は行われていないが、移住希望者からは空き家の利用希望が寄せられている現実があるため、市としてもそのニーズに応えられる仕組みが求められている。
しかし、現時点では空き家バンクの設立は考えていないとのことであり、市が直接関与する組織が必要との声もあった。市は、空き家の情報を収集し、移住希望者とマッチングすることができる場を持つ必要があるとの提案もあった。さらに、空き家がもたらす地域課題を解決するための政策が求められた。広報活動を通じて空き家の意向把握や、移住定住促進に向けた施策の促進が望まれる。
空き家バンクなどの新しいアイディアを通じて、地域の活性化とともに、持続可能なコミュニティを築くための施策が進められていくことが期待される。特に、空き家の解体補助やリフォーム補助、片付けに関する制度の導入も検討され、それが移住希望者を引き寄せる要因となることが考えられる。市が積極的に空き家対策に取り組むことで、地域の魅力を高め、住民の安心安全な生活を確保していくことは重要である。