令和3年5月27日、伊豆の国市で臨時会が開かれ、重要な議題が多数取り上げられた。この日は特に、令和3年度伊豆の国市一般会計補正予算（第4号）が焦点となった。
最初に、山下正行市長は補正予算案の提案理由を説明し、予算全体で226億3,900万円の規模で、1億3,500万円の増額を見込んでいることを明らかにした。
補正予算には2022年に放送されるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に関連する事業も含まれており、市長は「地方創生推進交付金を活用し、観光振興を狙う事業を展開する必要がある」と訴えた。しかし、その中には、前市長の時代に決定された計画の継続色が濃く出ており、「交付金申請には予算の議決が必要」としつつも、3月31日に申請を行っていたことが話題となった。
この点に関して、感情的な議論が繰り広げられた。反対派の議員は、「議会で予算の重要性が強調されていたにも関わらず、行政側がそれを無視する形で進めている」との指摘があり、補正予算の見直しが必要と訴えた。
また、大河ドラマ館の具体的な設置場所も韮山文化センターとされ、行政側は「大規模な事業からの縮小に当たり、地域資源の活用や市民活動を優先した」と説明しつつも、納得のいかない市民の声も多く聞かれた。特に、市民から得た期待との不一致が懸念され、施策推進の意義にも疑問が投げかけられた。
質疑応答では、議員たちが補正予算に対して厳しい姿勢を貫き、「事業が進められたとしてもその質や運営の透明性が懸念される」との意見が続出した。
議論の最後に、議長が議案の採決を行った結果、賛成意見が少数となり、令和3年度伊豆の国市一般会計補正予算（第4号）は否決された。これにより、行政に対してより一層の透明性と対話が求められる状況となった。今後、市長が市民の信頼を取り戻し、効果的な施策を展開できるかが問われることになりそうだ。