令和2年度第3回伊豆の国市議会定例会が9月2日に開催された。メインの議題は多岐にわたる補正予算案であり、特に韮山庁舎の解体に伴う費用が議論の的となった。市長の小野登志子氏は、会議冒頭で今回提出した11件の議案について説明した。
韮山温泉館の運営についても関心が寄せられた。この温泉館は令和元年に休館し、その管理を民間移管することが決定された。市長は、この方針に基づき、温泉館を韮山源氏温泉協同組合に無償譲渡する意向を示した。これは、今後の運営効率を図るための判断とされている。
特に、高額な解体費用8650万円がかかる韮山庁舎解体については、アスベスト含有や杭の処理が原因とされ、経済的な負担に対する懸念が表明された。内田隆久議員は、これに対して赤字の取り引きになるのではないかと指摘しており、購入価格と解体費のバランスを見直す必要性を訴えた。候補となる解体業者についても、入札方法が厳密に設定されることとなり、経費の抑制が期待されている。
加えて、令和2年度一般会計補正予算においては、歳出・歳入共に275億円の額で予算成立が見込まれ、コロナ対応の臨時交付金が活用されることが確認された。この中には、宿泊・飲食業者への支援金が含まれ、地域経済の振興に寄与する狙いがある。さらに、公共交通を活性化させるため、地域内の交通網を強化する施策についても言及された。
今後も、議会メンバーらは地域住民に対して透明性のある情報提供を行うとともに、市の会計や施策の柔軟な運用を進める姿勢が求められる。特に、韮山庁舎の解体に関する費用面や、地域全体の経済発展を示すビジョンが重要視されている。