令和元年12月、伊豆の国市議会定例会において、台風19号による最近の災害とその対策についての重要な議論が展開された。
本市では、台風19号がもたらした被害状況の詳細な検証が行われ、避難所運営の課題や災害時の情報提供の重要性が再認識された。市長の小野登志子氏は、台風19号の被害総額について、初期推計として約5億7,000万円が必要であり、そのうち市の負担は約3億3,000万円になる見込みであると報告した。この財源確保が、将来の災害対策における大きな課題となる。
特に、避難所の運営に関しては、職員の配置が不十分であったため、一般市民が自発的に避難所の運営を手伝う事例が見られた。市は、今後より充実した避難所運営訓練を行い、地域の協力を得ることが必要であると強調した。福祉避難所についても、実際の災害対応の中で課題が見つかり、マニュアルの見直しを進めるという方針を示した。
情報提供の状況については、同報無線やFMいずのくにを通じて避難情報が発信されたが、すべての住民に適切に伝わることが重要とされ、今後の改善を検討する必要がある。特に高齢者や障害者に対する配慮ある避難誘導が求められており、地域住民の防災意識の向上と共に、自主避難所の事前開設なども重要な課題である。
また、気候変動への取り組みも議題に挙がり、温暖化対策の実行計画が進行中であることが報告された。ここでも市民の参加を促し、理解と協力を広める努力が強調された。特に、伊豆保健医療センターの運営については、医師不足の解消が急務とされ、新たに内科医が確保されたことが今後の運営にプラスになる期待が寄せられている。
加えて、災害時のインフラ復旧についても、電力供給の安定など、地域の重要性を認識したうえで、将来的な計画が必要であるとされた。今後、財政力の強化や災害への備えについて、さまざまな視点からの議論が続くこととなるだろう。