令和2年第1回伊豆の国市議会定例会において、複数の重要な議題が取り上げられた。特に高齢者温泉交流館の存続と公共施設の再配置計画についての議論が注目を集めた。
高齢者温泉交流館は、かつて趣向を凝らした施設であったが、現在は市の厳しい財政状況や少子高齢化による需要の減少が影響している。これに対し、先例として伊豆の国市公共施設再配置計画が提案された。市長の小野登志子氏は「高齢化社会にふさわしい福祉サービスの提供を目指す」とし、機能統合が進められる旨を強調した。議員からは、再配置計画によって失われるサービスについて懸念する声が上がった。
さらに、地域の高齢者にとって重要な温泉施設としての存続について議論された。笹原惠子議員は「将来的には高齢者の健康をサポートする必須の施設であり、観光地としても重宝されている」と訴えたのに対し、政策監は「再配置の方向で検討し、アクションプランを作成する」と述べた。
続いて、災害時の福祉避難所と医療的配慮についての検討も行われた。市民福祉部の杉山義浩氏は、要配慮者の人数が多い中で、収容施設の数に限界があるとし、今後は市町での地道な事前計画の重要性を強調。特に、医療的手当が必要な方への支援の枠組みを明確にする必要があると述べた。
長岡体育館については、利用者数や運営状況、トイレの悪臭問題が指摘された。半田和則観光文化部長は、悪臭の原因については現地で高圧洗浄を行い、専門業者と協力して対策を講じる方向であると報告した。また、地域住民のさらなる利用促進を図るために、体育館の環境整備が急務であると認識し、来年度以降の計画に盛り込む考えを示した。
このように、伊豆の国市議会定例会では、高齢者福祉の向上を目指し、さまざまな施策が取り上げられ、地域全体での合意形成が進められる必要があるとする意見が多く寄せられた。市民の健康長寿と安心・安全な生活を実現するため、今後の施策に望まれる。