越谷市議会令和5年9月定例会において、大規模な災害対策や消防団の強化に関わる重要な議論が交わされた。
市は、これまで災害に対する治水対策として、河川整備や雨水幹線、排水機場の整備を進めてきたが、最近の異常気象による影響で市内での冠水被害が頻発している。
加えて、埼玉県や国との連携が不可欠であり、これらの事業を迅速に進めるために注意深い要望活動を行っている。「市民の命を守る」その思いのもと、調整池の整備や水噴射機材などの充実を図り、地域共存の意識を高める必要があると市長は強調した。
さらに、消防団の位置づけと課題も指摘された。消防団員の多くは中高年齢層に集中し、若い人材が少なくなる中で、訓練の過重負担が問題視されている。操法大会の競技化に伴う負担が原因で、消防団加入をためらう若者が多く、さらなる人材確保が急務とされる。
このような背景から、消防長は消防団活動に対する見直しを検討していることを明らかにした。また、課題解決に向けた意見交換会を通じて、団員の意見を反映させる必要が大いにあるとした。
一方で、農業を通じた福祉や教育の連携についても議論された。農業体験がこどもたちの情操教育に与える影響や農福連携の重要性が確認された。市教育委員会は、食への理解を高める取り組みとして学校农場事業を進めているが、障がい者雇用との連携については十分に行われていないという声が上がっている。
消防団の活動や農業体験など、越谷市では地域を守るためのさまざまな施策が進められている。しかし、実際の災害においてはその体制の強化や課題解決が求められる中で、今後の取り組みにも注目が集まっている。