越谷市の令和元年9月定例会で、市政に関する重要な議論がなされた。特に、市長の施政方針や高齢者福祉計画に関する質問には、多くの関心が寄せられた。市内での高齢者人口は増加しており、今後の介護需要も高まることが予想されるため、対策が求められている。
野口和幸議員は、介護職員の確保と育成の重要性について言及した。国の統計によると、埼玉県では約1万6,000人の介護職員が不足する見込みで、効果的な人材確保策が必要とされている。高橋努市長は、介護従事者向けの相談窓口や介護事業の紹介、就職相談会の実施などを通じて人材の確保を図っていると述べた。
続いて、認知症対策についても議論が交わされた。野口議員は、若年性認知症者の増加に注目し、地域包括ケアの一環として、早期支援の必要性を指摘した。市長は、認知症施策推進大綱に基づく取り組み強化を示し、特に若年性認知症に関する相談窓口の設置や地域支援活動を強化していると強調した。
その後、母子手帳の電子化についても質疑が行われた。急激な気候変動による自然災害が多発する中、母子手帳をデジタル化することで、重要な記録が失われず、安心して子育てができる環境を整える必要があるとの提案がなされた。市長は、情報管理をより簡便にし、紙ベースとの併用を進める見解を示した。
熱中症対策に関しては、昨年突然の猛暑に見舞われた経験を踏まえ、さらなる対策が求められている。市内小中学校では、エアコンの設置を含む多様な取り組みがなされているが、特別教室の環境改善の必要性も指摘された。市長は、教育現場における多様な取り組みが必要であるとの認識を示し、地域住民に対する啓発活動を強化する意向を表明した。
最後に、選挙管理委員会による投票環境の充実についても議論が及んだ。特に、若者の投票率向上のための啓発活動が重要であるとの認識が共有され、今後もこの活動を継続する計画があることが発表された。市としては、出前講座や模擬投票を通じて、政治参加への意識を高める取り組みが進められている。